ある美容師のお母さんの話

先日、知り合いの方より「床がブワブワするから見てくれないか」と頼まれ日曜日に見に行ってきました!!

工事は簡単で30分程で完了し、少しお茶を頂きつつ雑談。。。

そして帰ろうとすると、その方から「お代は??」とのこと。

私は、いつもお世話になっていたし大した仕事でもないので「今回は大丈夫ですよー。また今度、大きな仕事があったらやらせてください(笑)」と告げました。

 

こんな話をしていたら、そのお母さんから何とも深い話を聞くことが出来ました。大雑把にまとめるとこうです↓

 

 

大工さん、職人、というのは技術職で人には出来ない事をやっている。その技術を覚えるためには長い下積み期間もあっただろう、一人前に教え込むのに親方も苦労しただろう。

そのお母さんも美容師さんなので同じ技術職。「親方はあなたにタダ働きをさせる為に技術を教えたのじゃない」そう仰りました。”サービス”というと一見聞こえは良いのかも知れませんが、一方通行のサービス、それは与える方も与えを受ける方も自分のエゴでしかないと、そのお金で美味しいご飯が食べられたのかもしれない?その時間で美味しいお酒が呑めていたのかもしれない?そのお金を子供・家族のために使うことができていたかもしれない。そのお金・時間が趣味や息抜きに使われていたかもしれない。そのお金が未来の会社に繋がってたのかもしれない。その余裕が次の世代の技術者を育てることに繋がっていたのかもしれない。

だから、自分の為にも親方の為にも未来のお弟子さんの為にも、そして相手の為にも技術に対する単価は受け取らなくてはならないと。

 

 

「サービス」や「まけて」って言葉は自己中心的な言葉なんだと教えられました。

大工さんも美容師さんも、お支払の時に提示した額以上の金額をお客さんが渡してあげたくなるような、気持ちの良い関係・作業をしようと‥‥。


 

深い・・・

 

 

そんな話を聞いて考えていたら

 

 

今月、倒産してしまった宇都宮にある地元ハウスメーカーの社長が昨年の暮れにこんな事を言っていた事を思い出しました。

 

建てる前で”サービス”        

建ててる時で”サービス”

建て終わって”サービス”

 

利益無いよ。と

 

 

 

面白い建物を造る良い会社だっただけに非常に残念で、非常に悔しく思います。

 

きっと、そう言うお客さんは「困ったな。メンテナンスどこに頼めばいいんだよ」と嘆くんでしょう。と

会社が倒産されては未来のサービスは受けられません。


正直な話。建築業は、今が底値です。ギリギリの予算で高い技術力を要求されています。何かひとつトラブルでもあると、何かひとつサービスの追加工事・打ち合わせ後の変更工事があると赤字確定です。それはレギュラー工事の価格に充分サービスが入ってきてしまっているからです。 

はっきりいって飛び込みのサービスをしている余裕はありません。


「タダでやらせる・

                     値切るのが当たり前の文化」


やめませんか?


 

 

この偶然かさなった二つの出来事、皆さんはどう考えますか?

   

 

 

それ以来、「商売だから、普通に請求してください」が私の口癖になりましたΣ(・ω・ノ)ノ